初めまして。
ごあいさつとともに、「猫住まい」のタブで伝えていきたいことを、私の背景を交えながらご説明させていただきます。
私はねこ好きの岩崎永治と申します。ねこ様と約40年間、一緒に暮らしてきました。ねこが好きすぎて、ねこ研究で博士号まで取りました。自他ともに認めるネコ博士です!大学時代のあだ名はネコズキとかねこ君でした。なぜこんな猫好きになったかというと、生まれてからずっとねこと暮らしているからでしょう。私の家族もねこ好きで、私が生まれる前からねこが住んでいました。
私が子供の頃は室内飼育という概念はなく、ねこは外で飼うのが普通でした。それでも、うちの両親はねこが寒くないようにと木箱に毛布を詰めて巣穴を作り、その中で何世代もの猫たちが生まれました。木箱の中で猫と一緒に毛玉になっていた私ですが、猫ともっと一緒にいたいと願うあまり、こっそりと親に内緒で猫を部屋の中に連れ込んでは怒られていました。室内で飼育される座敷犬の話題が耳に入るようになった時代、次第に親もあきらめ、我が家にも室内で猫と暮らすという意識が芽生えたのでした。
このように、室内飼育という概念は比較的新しい考え方で、ねこ様にとって馴染み切ったとはいえず、たくさんの問題を抱えています。例えばストレス。皆様よくご存じのねこ下部尿路疾患は主に膀胱炎によって尿管が詰まり、おしっこが出なくなる病気です。この病気の一番の原因はストレスといわれています。キャットフードや獣医療の発展により、大学病院など2次診療にかかるほど重篤な猫下部尿路疾患の猫はいなくなりました。しかし、最大の原因となるストレスの問題は解決されていないように思います。野生下では広大な縄張りをもつねこ様が室内飼育によって見渡せるほどの狭い空間で暮らすようになりました。感染症、事故、外敵などからの身の安全の代わりに自由を失いました。ここにストレスの原因があるのではないでしょうか。いわば、猫下部尿路疾患の増加は室内飼育の普及がもたらした弊害の可能性があると考えるようになりました。
一般的には「猫は室内飼育でも大丈夫」、「不幸なねこを減らすため、ねこを感染症から守るため、室内から出してはいけない」といわれます。ねこ様の体の健康を守るうえで、とても大切なことです。ですが、思い返してみてください。窓から外を眺めるねこ様の、非日常を待つ遠い目。窓にやってきた鳥に興奮するあの表情。私はまだ、室内飼育で健康を守りながら、心の健康も養っていく必要があるように思えてなりません。
そこで、私は『和猫研究所』を通して科学的根拠に基づいた情報を紹介していくことで、日本に住むねこ様たちの住環境を快適にする方法を皆様と一緒に模索していきたいと考えています。すべてはねこ様のため。
この「猫住まい」のタグでは、私の持てる知識と経験をもとに、ねこ様の習性などの生態的側面と、おうちなどの物質的側面について情報提供していきます。これらによって、皆様のねこ様がおいしい毎日を過ごす手助けとなれば幸いです。
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